着物文庫紙
当社で常時準備できる着物文庫紙の原紙は約70種類、角紙が約10種類、テープ(紐)が約25種類あります。組み合わせを考えるだけでオリジナルの文庫紙ができるような気がします。しかし、実際は、余程こだわったお店でないと、そのお店の特徴を現すような文庫紙を作っていません。
ほとんどの呉服店様は、雲竜紙か淡黄雲竜紙、ちょっと和風な原紙を使っています。角紙も茶か生漉がほとんどですし、テープ(紐)は、綿テープ・白綾テープ・茶綾テープの3種類がほとんどです。確かに、単価面を考えると、このようなバリエーションが限界かもしれません。
しかし、目先を変えて印刷にこだわってみませんか?最初の新版代さえ目をつむれば、それほど負担がなくて、オリジナリティーを発揮することができます。
表にベタ印刷をしてもいいですし、頭字(よく、きものや貴装、和粋と入っているところ)に着物に対する思い入れを書いても構いません。バリエーションは、無限です。ただし、印刷の色は、1色、若しくは2色程度でお考え下さい。色数が増えると紙代以上の負担になる場合があるので。
因みに、当社で一番高く出している文庫紙は、700円でお買い上げ頂いている分です。呉服店様のこだわりが詰まった、すばらしい文庫紙です。でも、これは特別です。通常は、75円から300円ぐらいまでの商品がほとんどです。それでも、オリジナリティーは、十分発揮できます。
余談ですが、一度、50周年記念として、呉服店様より、手漉き和紙を使った文庫紙の注文を頂いたことがあります。各方面との交渉の末、1枚当たり、1,500円で出来上がりました。呉服店様も、そしてお着物を購入されたお客様も大変満足して頂きましたが、これはやはり、イベント商品です。常時使うのには、ちょっと高過ぎます。
呉服函
当社では、基本的に組み立て式の呉服函については、既製品に店名を入れる程度のこだわりをお勧めしています。既製品と言っても、常に7色以上準備していますし、サイズも4種類以上準備しています。だから、印刷でのこだわりを入れるだけで、お店のオリジナリティーが十分に発揮できると考えています。
しかし、一度の発注が1,000個以上というのなら、話は別です。紙質やサイズにこだわることも可能です。でも、1,000個未満でいろいろとこだわると、組み立て式の呉服函は、ビックリする価格になりますよ。これは、本当にお勧めしません。
貼函(組み立て上がった呉服函)の場合は、小ロットでもいろいろとこだわることができます。ただし、最初に100個分貼り紙を買わないといけないとか、保管に大きなスペースがいるとか、送料が・・・。という問題があります。当社では、一括100個分の支払いがOKの呉服店様には、保管のサービスをしていますが、同一梱包が最大10個程度なので、送る度の送料(呉服店様に負担して頂いてます)が現在課題となっています。
また、この頃は、呉服函に入れて納めない呉服店様も増えているので、既製品でも呉服函を使うことだけで、お客様満足度(CS)が上がるのではないでしょうか?
余談ですが、店名入り桐衣裳箱があります。安いとは、言い難いですが、結構人気があって、しかも、10個単位(ロットが増えると安くなるシステム)での販売なので、結構売れています。
紙袋
原紙や加工(ラミネート加工など)、手提げ紐やサイズと、一番オリジナリティーが発揮しやすい包装資材の一つです。と同時に一番ありきたりになりやすい包装資材でもあります。
印刷においても、現在のオフセット印刷の機械は、お客様のこだわりを十分表現できるだけの性能がありますし、また、小ロットも可能です。なお、単価面だけで考えるのであれば、フレキソ印刷がお勧めです。色は、2色までしか使えませんが、かなり安く上がります。ただし、巻取り単位なので、2才サイズ(450×325×110mm)で9,000枚前後、一度に出来上がります。原紙についてですが、ベタ印刷をお考えの方や内側にも色があった方がいいという方は、色付きの原紙をお使いになることをお勧め致します。通常使う、片ツヤなどに比べて多少高めですが、ロットによっては、ベタ印刷代よりは、はるかに安い場合があります。
それと、手提げ紐を選ぶ際には、気をつけて欲しいことがあります。それは、紙袋に入れる商品の重さです。一度、デザイン重視で、どうしても細いカラーPP紐にして欲しいというオーナー様がいらっしゃいました。いろいろとご説明したのですが、どうしてもという強い意向を無視できず、オーナー様のご依頼通りの手提げ紙袋を製作致しました。納品してから、数日後、お顔出しをしたときにオーナー様から、次回は手提げ紐を変更したいとのお申し出がございました。理由をお聞きしたところ、商品をご購入されたお客様から、手提げ紐が手に食い込んで痛いと言われたそうです。残念ながら、私の心配は、的中致しました。それからは、細い紐をご要望されるお客様には、単価UPになりますが、スピンドル(布製の紐)をお勧めするようにしています。
サイズについて一言。できる限り、自動製体ができるサイズにすることをお勧め致します。手貼りに比べてかなりのコストダウンになります。
包装紙
原紙と印刷のみでオリジナリティーを出さないといけない包装資材です。しかし、既製品を見ても分かるように、かなり自由な発想で製作に当たれる包装資材でもあります。今まで述べてきたことが、ここでもアドバイスとして活用できるので、重なる部分は、割愛しますが、サイズについてだけ、覚えていて欲しいことを申し上げます。各種サイズを別々に印刷しないで、全判サイズで印刷して、各種サイズに断裁をお願いした方が、コストダウンにつながることが多いですよ。確かに、嫌がる業者さんもたくさんいますけどネ。
その他の包装資材(ビニールバックやパッケージなど)や印刷物関係(シールや提げ札、伝票など)などについては、詳細説明は、割愛させて頂きます。尚、ご質問がございましたら、ぜひ、問い合わせをお願い申し上げます。
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